陸上でカキ養殖?!それなら真珠も陸上で養殖できるのかも、と思ったら既に考案されていた。陸上真珠養殖の可能性とは。
三重県的矢かきで有名な佐藤養殖場の創業者は、真珠養殖業からカキ養殖に転換したのだという。
養殖場の海に浮かべる筏や網など事業で使用する資材はカキ養殖も真珠養殖も同じなので、ちょっと見ただけでは牡蠣養殖場は真珠養殖場と区別がつかない。
愛媛のジーオーシード牡蠣養殖場http://www.oysterbar.co.jp/safety/seedling.php
2017年3月8日(水)の日経オンラインに「カキ・マス…「陸上養殖」に挑むJR西と近大」という記事がでた。
去年の2016年12月20日(火)にも「生でも安心、「あたらないカキ」を陸上養殖」という記事が出ている。
(上記写真のジーオーシード養殖場は記事に登場するゼネラルオイスター社のグループ会社)
深層海洋水を汲み上げて陸上でカキを養殖するのだという。
地下海水で養殖 オイスターぼんぼんの最大の特徴。それは「陸上養殖」という独特の養殖法にある。水産物の養殖は、湾内に仕切りを設け、流れ込む海水を使いながら育てる海面養殖が一般的。ところがこのカキでは、くみ上げた地下海水を、塩田跡の養殖池に張って育てている。地下海水はろ過されているため、海水に比べて不純物が少ない。こうしてノロウイルスに感染するリスクが低く、生食向きのカキが育つ。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/030600423/
となると真珠も陸上でできるんじゃないの?と考えてしまう。調べてみると、
この地下海水=海洋深層水を真珠養殖に利用するというアイデアは既にあった。特許請求は2000年。
詳細はこれ。https://patents.google.com/patent/JP2002010722A/ja
番号JP2001005962A
真珠養殖方法とそのシステム Abstract (57)
【要約】
【課題】 深層水を飼育槽内で流動させて、一箇所の地 上設備で真珠の養殖の工業的生産を図り、安価に高品質 の真珠を得る。
【解決手段】 汲み上げられた深層水をアコヤ貝の育成 から真珠の生育に必要な生育適性温度に温度管理漕2で 暖め、この深層水を貯水槽3を介してビニールハウスな どの建屋23内に固定設備として設けられた稚貝育成・ 仕立て用プール(水槽)4と珠貝育成用プール(水槽) 5に供給する。これら両プール4,5において、適宜に 深層水に水流(潮流)を生じさせて、アコヤ貝の育成か ら真珠の生育までを一貫して行う。<以下略>
「アコヤ貝の育成か ら真珠の生育までを一貫して行う。」まさに陸上真珠養殖ですね。
いまだ陸上養殖真珠の話を聞かないということは実用化されてないのかな?
真珠貝に与えるエサ(プランクトン)も必要だし、海水汲み上げの経費もかさみそうだ。アコヤ真珠の単価が上がってくればペイするんでしょうけど。
全期間陸上養殖でなく、真珠養殖で挿核手術後に海洋深層水を使って養生することでシミやキズができる率を減少させるという研究結果もあるようです。