ベトナムのフーコック島。真珠産地で買う真珠ネックレスは・・・。
ベトナムで一番有名なリゾートの島といえば、タイランド湾に浮かぶフーコック島。私も何度か旅行に行っている。
最近は真珠の島ということになっているようだ。
「ベトナムセンチメンタル」という1995年発行のガイドブックをみてみると、こう書かれている。
島内にはこれといった観光のポイントになるところはなく、リゾートとしての設備もほとんどない。ベトナム人の生活の場としてのフーコック島があるだけ。決して快適な旅のできるところではないが、旅行者の数もまだ少なく、外国人慣れしていない素朴なベトナム人に会えるかもしれない。
この島にも日本の企業が真珠の養殖で乗り込み、フランスの資本でリゾート開発がはじまるという。今この島のように何もないただのベトナムの街を見る。それがとても贅沢なことになるのも時間の問題かもしれない。
(ガイドブック ベトナムセンチメンタル 1995年9月発行)
上の記述は20年以上前のことだから随分変わっただろうと思うかもしれない。しかし、つい数年前までは、観光客が集まるロングビーチを少し離れれば、ところどころ未舗装の赤土の道ばかりで、そういった何もない海外沿いの道をのんびりレンタルバイクで走るのが、私のお気に入りの過ごし方だった。
今はベトナムの大手資本VINPEARLのリゾートホテルが進出。何もなかった島にゴルフ場から遊園地までできている。
そして、ガイドブックに書かれている日本企業は真珠養殖から撤退してしまった。(追記。2012年に新たに現地企業と提携する日本の会社があらわれた。)
開発が未だすすんでいない島が好きなバックパッカーなら、おなじくタイランド湾に浮かぶ、お隣カンボジアのロンサムレム島を強く推す。
2014年 筆者撮影
今年の後半にフーコック島に行くつもり。今度はバックパッカーではなくツアーになる予定だ。
ツアーなら真珠養殖場直営ショップが観光コースに入ってるはずで、密かに楽しみにしているのだ。
ネット上にはツアー参加者による真珠情報があふれているようで、なんの観光スポットもなかったフーコックを真珠の島として売り出す作戦は少しは成功しているように思われる。
ツアーの内容は下記ベトナム人向けの2泊3日ツアーが参考になる(本文はベトナム語)。
写真を見てみると胡椒農園とヌクマム工場等をまわり、真珠養殖場直営の土産物屋に連れていかれる、というコースのようだ。
2泊3日フーコックの旅 http://diendandulich.net.vn/
真珠養殖場直営土産物屋の真珠採取の実演が行われている。アコヤガイ登場。
フーコック島の真珠採取実演別の真珠直売店の動画。
https://youtu.be/URzNoAQqzuE
生きている貝を割り、真珠を取り出すわけなのだが。
デモンストレーションに使われているのはアコヤガイ。
南の島フーコックは南洋真珠、養殖しているのはシロチョウガイじゃないの????と疑問符が・・・・。
取り出された真珠もみるからにアコヤ真珠。
取り出した真珠は20万ドン(約1000円)だと言ってる。高いね・・・・。
アコヤガイから取り出した真珠をシロチョウガイの貝殻の上に載せて説明している。
そのため、アコヤガイが若い貝でシロチョウガイが成長した貝と勘違いしている人が発生してる模様なのだった。(とあるブログ記事。)
アコヤガイとシロチョウガイは親子じゃなくて違う種類の貝だからね!!
さて、併設のギフトショップの画像をみてみると淡水真珠の商品が多く並んでいる。この価格が安いお手頃商品は淡水真珠製品。おそらく中国産だろう。(画像http://english.vov.vn/travel/)
”Pearls are available in souvenir shops in Phu Quoc Island” とキャプションがついた淡水パール
もちろん、淡水真珠といえども、キズがなく丸いものは高価で、淡水真珠だからといって偽物の真珠というわけでない。
2014年にこう言う記事がでていたが、”低品質の模倣品や偽物だ”という言い方は厳しすぎるだろう。価格相応なのだ。
フーコック島の真珠、大半は低品質の模倣品
フーコック島(メコンデルタ地方キエンザン省)は真珠の養殖で知られる。島内では多くの場所で「フーコック真珠」が売られているが、そのほとんどは低品質の模倣品や偽物だ。
真珠の養殖は1994年に日系企業が初めて手掛け、その後オーストラリア企業が続いたが、金融危機で外国企業が撤退し、その後地場業者が養殖場を受け継いでいる。島内の真珠養殖業者は数社しかなく生産量が少ないため、販売は直営店のみに限られている。
http://www.viet-jo.com/news/social/140905085010.html
直営店以外はフーコックの真珠じゃないよと。
しかし、例え直営店でも、色や形を揃えて真珠ネックレスをつくる為には十分な生産量が必要で、よほど大規模の養殖場でなければ不可能である。ネックレスなどの商品はタイや香港あたりで仕入れてきたとみるのが妥当だと思う。
つまり、直営店でも売られている真珠製品も100%フーコック島産の真珠というわけではないだろう。
そういえば去年のニュースだが志摩市の真珠養殖業者がフーコック島に進出するといった記事がでていたのだが、進んでいるのだろうか?
フーコックに進出を考えている志摩の真珠養殖業者。
英字ニュースサイトのジャパントゥデイによると、三重県志摩市で田辺真珠養殖場を経営する田辺伴一さん(57歳)は、今年の夏、べトナムでの養殖事業に興味を引かれて計画投資省に相談したところ、メコンデルタ地方キエンザン省フーコック島の真珠養殖場が日本の投資家を探しているとの紹介を受けた。 田辺さんはフーコック島に出向いて調査し、真珠養殖の好条件が揃っていることを確認した後、ベトナムでの事業に乗り出すことを決めた。まずはベトナム人の養殖技術者数人を、日本で育成することから始める計画だ。 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、ベトナムでは経済発展に伴い真珠のアクセサリーの購入が増えているが、市場に出回っている真珠の大半は中国産の安い製品で、日本産の真珠はほとんどないという。
http://www.viet-jo.com/news/nikkei/151231090630.html
原文はここ http://www.japantimes.co.jp/news/2015/12/21/…
ベトナム側は投資家を探しているとあるので、まずは養殖技術者の養成をと考えている日本側と若干すれ違ってる気がするのだが・・・・。
ちなみに日本産の真珠ネックレスもベトナム市場にではじめてる。
フーコック島の真珠養殖直営ショップにもあるかもしれない。今度の旅行で確認する予定。