あこや真珠の核入れ体験-真珠挿核とは?挿核作業者の給料は?

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毎日新聞2016年7月5日の地方版に真珠の核入れ体験 というニュースがでていた。

mainichi

真珠の核入れ体験

社会人向けに企画 志摩・養殖業者が事業化を検討/三重

志摩市阿児町立神の英虞湾で真珠養殖を営む原条誠也さん(56)の作業場で、社会人を対象にした真珠の核入れ体験が開かれた。母貝から真珠を取り出す浜揚げ体験は盛んに行われているが、精密な技術のいる核入れの体験は珍しいという。

http://mainichi.jp/articles/20160705/ddl/k24/040/299000c

 

ネット上で「真珠の核入れ体験」「挿核」で検索するとわかるけれど、核入れ体験自体は今ではそれほど珍しいことではないようだ。何社かヒットする。

真珠養殖の黎明期は核入れ=挿核技術は各養殖場だけの秘密だっただろう。技術を確立したのは日本の技術者たちで、実際の核入れを他人(他社)に見せるなんてことはまず無かったはずだ。雨戸を閉めて家の中で核入れ作業をしたという話もあるくらいである。まあ、これは100年以上も前の話ではあるのだけれど。下記画像は実査に使われている挿核用具だ。

右から、貝口器、ピース用メス、核挿入器、メス、ひっかけ、ピース用ハサミ。 右から、開口器、ピース用メス、核挿入器、メス、ひっかけ、ピース用ハサミ。

100年もの昔でもなく、それでも30年近く前に志摩地方の養殖場に見学に行った時のこと。

私が核入れ時のメスを入れていく詳細を確かめたくて、作業中のベテラン作業者の背後に回って覗き込もうしたことがあた。すると、その作業者は核入れ作業の手を止めて、真珠養殖のよもやま話をはじめてしまうのだった。

ああ見せたくないんだなあ。と思ったものである。

真珠養殖は様々なノウハウが積み重なっているので、核入れ作業だけを見たところで、一朝一夕に同じような真珠が作れるわけでもないのだが、やはり自分が培った核入れ技術はおいそれと教えたくなかっただろう。

 それが今はあちこちで真珠の核入れ体験ができるのである。併せて真珠養殖の歴史とかも教えてほしいところだ。

前段のニュースによれば志摩の真珠アピールのために事業化を検討しているのだとか。今はコツコツと真珠養殖をしてるだけでは儲からないのだよなあ。

ネット検索してたらハローワークでこんな求人発見。K真珠という九州の会社です。

真珠挿核技術者求人表抜粋 真珠挿核技術者求人発見

精密な技術のいる職業の給料安すぎ!!

 

資料1 youtubeにも上がってる挿核作業。あまりはっきりわからないね。これをみて習得は無理ですね。練習用の貝かなあ。貝が衰弱気味だと思う。ちなみに挿核作業自体は、アコヤ貝を200、300も殺せば、まあ形にはなります。

(挿核作業を失敗すると身を破ってしまうわけなのでアコヤ貝は死にます。挿核成功しても初心者なら7割以上は死ぬかな。)

https://youtu.be/BjAPnuR0_gI

 

資料2.挿核について

 パールミュージックの過去記事。真珠ができるまでから引用します。
真珠核入れ
挿核施術とは、アコヤ貝の体内に淡水 性二枚貝からできた丸い核と、ピース(外套膜切片)を挿入する外科手術で真珠養殖技術の根幹といえるものです。 一般的には、以下のような手順で行われます。
 1.手術室に運んだ貝を開口器で1.0~1.5cm開けて貝台に固定。
 2.ヘラでえらをかきわけメスで足の基部を切開して、そこから真珠核を挿入する位置まで核の通り道をつける。
 3.ピース針にピースをつけて所定の位置にピースを挿入する。
 4.挿入器(核送り)を使って核を挿入してピースと密着させる。

内臓や器官を傷つけず、手早く確実に作業するには、繊細な神経と訓練が必要とされます。 (以下略)

*元の文章から3.と4.の順序入れ替えました。核を入れるのが後です。後でピースを挿入するとピース針で内部に傷をつけてしまう確率が高いのです。後で入れるほうが位置が決まりやすいので初心者には簡単なんですが。

 

 

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