ほとんどの鑑定士が見抜けない偽物ダイヤモンドと、かつて偽物といわれた養殖真珠について。

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ほとんどの鑑定士が見抜けない偽ダイヤモンドが登場という記事が話題になってました。

ほとんどの鑑定士が中国の偽ダイヤを見抜けなくなった…危機を感じたデビアス社、ダイヤモンドの大学を創設する

近年、中国で作られている人工ダイヤモンドは、もはやほとんどの専門家が見分けられないほど精巧になっています。

このままでは現在の市場が崩壊すると危機を感じたのが、ダイヤモンド業界で圧倒的なシェアを持つデビアス社。

フェイクダイヤを判別する鑑定士を育成するため、大学を創設したそうです。

http://labaq.com/archiveのs/51894986.html

 

 見抜けない偽物ダイヤモンドは本物のダイヤモンドとどこが違うのだろう。と考えてはじめると非常に面白い話題です。

 この見抜けない偽物ダイヤモンドというのは特に新しい話ではなく、2005年に極東ブログでfinalventさんがこの話題について書いています。ニューズウィーク(3・23)の記事に取り上げられていたとこのこと。

2005.03.20の極東ブログさんの記事。
本物のダイヤモンドと偽物のダイヤモンドの違い

本物と偽物。本物のダイヤモンドと偽物のダイヤモンド。
 違いは…わからない。
 鑑定士が識別できない。識別できなければ、本物と偽物の違いはない。
 まさか。それがそうでもない。というのがまさに現代の合成ダイヤモンドの世界。とりあえず物凄い識別装置を使うとわかる、ということにはなっている。というか、識別装置の技術だけが本物のダイヤモンドと偽物のダイヤモンドを決める……結果的には。
 それでも、偽物には、当然、騙す意図があるのだから、結果としてではなく、偽物としての創造があるはず。そう、ある。最新の合成ダイヤモンド技術だ。
(極東ブログ http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2005/03/post_16.html)

 

 過去に養殖真珠が本物か偽物か争われたことがあります。昔は真珠といえば天然にできる真珠しかありませんでした。

 日本の養殖真珠が市場に登場したのは1910年代でしょう。御木本真珠が1913年にロンドン支店を開設しています。

 宝石商が真珠(天然真珠)価格の下落を懸念したこともあり、養殖真珠は偽物だというバッシングが起こります。当時はエックス線技術など鑑定技術が発達しておらず、外側からでは本物と偽物の区別がつきませんでした。養殖真珠を天然真珠と偽って売られていた事もあったようです。偽ダイヤモンドの話と似ています。

 ところで御木本幸吉は天然真珠価格の75%で、養殖真珠販売を考えていたといわれてます。25%引き。その算定理由が知りたいところですが。

 この偽物論争の決着が着いたのは1924年のパリ裁判です。

「養殖真珠は天然真珠を変わらないものである」という判決がでました。

 宝石商が恐れていたように、天然真珠価格は下落していきましたが、これは1929年10月にアメリカから始まった世界恐慌の影響が大きいと筆者は考えます。恐慌で天然真珠の最大顧客であったアメリカの大金持ちが没落していったからです。

 

さて偽物ダイヤモンド。

 ダイヤモンドの価値を守るには、「見抜けない偽物は本物とどう違うのか」という本物偽物論争は避けて、らばQの記事にあるように、見分けられる鑑定士を養成する大学設置が一番良い方法なのかもしれません。

 

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