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海女・真珠業 世界農業遺産に申請 と 「海外真珠養殖3原則」

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毎日新聞2017年1月30日 地方版にこんなニュースがでていました。久しぶりの伊勢志摩の真珠関連ニュース。

世界農業遺産 海女・真珠業、申請向け現地調査 農水省 /三重

「鳥羽・志摩の海女漁業と真珠養殖業-持続的漁業を実現する里海システム」の世界農業遺産への認定申請に向けた農林水産省の現地調査が27日、行われた。(略) 
毎日新聞 http://mainichi.jp/articles/20170130/ddl/k24/040/126000c

で、世界農業遺産って何?世界遺産や歴史遺産とは違うの?
農林水産省のサイトの説明によれば

世界農業遺産は、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり形づくられてきた伝統的な農林水産業と、それに関わって育まれた文化、ランドスケープ、生物多様性などが一体となった世界的に重要な農林水産業システムを国連食糧農業機関(FAO)が認定する仕組です。
http://www.maff.go.jp/j/nousin/kantai/giahs_1.html

イマイチわかりにくい・・・。


伊勢新聞にも同じニュースが出ています。

海女、真珠「世界発信を」 国連調査団、鳥羽志摩視察 農業遺産申請へ
【鳥羽・志摩】国連食糧農業機関(FAO)の調査団は二十七日、日本農業遺産登録と、世界農業遺産への申請を目指す鳥羽志摩地域の海女漁業・真珠養殖業の現場を視察し、関係者らと意見交換会を開いた。
(略)
県真珠振興協議会の山際定会長は英虞湾での真珠養殖業について説明し「英虞湾は真珠養殖発祥の地。その技術は世界に普及し装飾文化に貢献している」とPRした。
意見交換会後、八木氏は「自然の中で人間が生きていることを感じ、人と自然との距離の近さを感じた。遺産については協議が必要だが、世界に発信すべき文化だ」と語った。
http://www.isenp.co.jp/news/20170128/news03.htm

ところで

上記の記事の中で「英虞湾は真珠養殖発祥の地。その技術は世界に普及し、、、、、」とありますが、最近まで日本の真珠養殖技術は世界には非公開だったのです・・・。真珠養殖の技術はなるべく普及させたくなかったんですね。

あまり知られていないのですが。
水産庁長官通達の「海外真珠養殖3原則」というのがありました。


1 日本の真珠養殖技術は公開しない
2 生産された真珠は全量を日本に輸入し、その販売権は日本が取得する。
3 真珠の生産は品種や形態で調整する。

こう、決まってたのです。日本の国内真珠産業を保護しましょうということですね。

「海外真珠養殖3原則」は日本の真珠産業(アコヤ真珠)を守ったのは確かなんですが、そのため真珠マーケットのグローバル化に遅れてしまったという見方があります。


CGLさん(株式会社 中央宝石研究所)のサイトから引用します。

戦後海外での真珠養殖は大きく展開して行った。海外における真珠養殖で、中国のアコヤ真珠養殖、淡水真珠養殖を除くその他で日本が優位に立てたのには、かつて日本には「真珠養殖事業法」という法律があり、日本の養殖真珠産業はこの法律によって手厚く保護されていたからである。
特に水産庁長官通達の「海外真珠養殖3原則」は、(1)養殖真珠技術の非公開、(2)海外で養殖された真珠はすべて日本に持ち帰ること、(3)海外で真珠養殖を行う際、どこでどんな母貝を使用し、どれだけ生産するかを予め届け出て許可を得ること。海外でのアコヤ真珠養殖の禁止、というものであった。
別の言い方をすれば日本の真珠産業を守るため、この3原則によって養殖真珠のグローバル化が阻止されていたのである。
(略)*1998年に真珠養殖事業法が廃止されている。
http://www.cgl.co.jp/latest_jewel/tsushin/16/20.html

 

昔は秘密にしたかった日本の真珠養殖技術ですが、

今は日本から真珠養殖技術が普及したことをアピールする時代になりました。

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