この猛暑の真珠養殖への影響は?猛暑に真珠貝は耐えられるか?
猛暑が続いています。この猛暑の真珠養殖(真珠貝=アコヤガイ)への影響はどうでしょうか?
気温が高くなれば、海水温も高くなります。今年の猛暑に真珠貝は耐えられるのでしょうか?
三重県水産養殖研究所が「真珠養殖 海と貝と人」(pdf)という冊子を出しています。
そこにはこうあります。
アコヤガイと水温
1-1 高水温,低水温
水温は最重要
アコヤガイの生理活動は,水温によって大きく変化します。
水温は,アコヤガイの生活にとって最も重要な環境要因と言えるでしょう。
「水温が何℃の時,貝はどのような活動状態なのか?」
アコヤガイの生理活動と水温との関係をしっかり理解することは,飼育している貝を常に良い状態に保つために重要です。
日本のアコヤガイも中国のアコヤガイも交雑貝(ハーフ貝?)も水温25℃が一番快適だと書かれています。
中国貝ならもう少し高い温度でも平気なのかと思っていたのですが、そうでもないようです。
この水温25℃がエサのプランクトンを一番多く摂取できる温度なのですが、それより水温が高くなるとどうなるか?
略)水温25℃以上では水温が高くなるにつれて,餌をとる力(ろ過能力)は弱まっていきますが,エネルギー消費は高くなっていきますので,エネルギーの獲得量と消費量のバランスがくずれ,貝は痩せやすくなります。水温が28℃以上では,様々な生理活動に変調が起こり,水温30℃以上になるとへい死が増えることから,水温30℃はアコヤガイの生存限界と言われています。
水温が高くなると夏痩せします。28℃以上で変調が起こり、30℃以上では死んでしまうかもしれない。
生き残ったとしても高水温で痩せてしまったアコヤガイは貝柱がすっかり細くなっています。弱った貝に育てられた真珠は”薄巻き”という真珠層が薄い2級品が多くなってしまうのです。
実際に現在の海水温がどうなっているのか?
三重県真珠養殖関係漁場水温モニタリングシステムというサイトがあります。(http://www.ohyamanet.info/)
英虞湾 湾央の水温データ直近7日間の英虞湾のデータです。深度2mでも海水温30度を超えることがあるようです。アコヤガイの斃死率が増えるかもしれません。
対策としてアコヤガイの入った網を深く吊り下げていることでしょう。
さて、今週末は日本に台風が接近というニュースがありました。
海が暖かくなると、今後の台風が気になります。台風の勢力は海水温に大きく影響を受けるため、海が暖かければ暖かいほど、台風は勢力を増し、弱まらずに本州に接近することが考えられます。
猛暑が一段落しても、一度暖かくなった海はなかなか冷えません。この猛暑は秋にかけて、台風にも影響しそうです。 と言われます。
大型台風が真珠養殖場を直撃となればこれもまた大変です。一難(猛暑)去ってまた一難という感じです。まだ一難(猛暑)は去っていないわけですけど。
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