真珠を強固なものにする魔法のPS加工
真珠は汗による影響を受けやすいのが特徴で、汗がついたままの状態を放置することで輝きを失ってしまう可能性があります。そんな真珠の大敵「汗」から守る加工方法、PS加工についてご紹介します。
真珠とは海から採れる自然の産物であり、有機物ならではの様々な特徴をもっています。
真珠の品質はテリや色、大きさ、えくぼの有無、巻き厚などから判断されており、それらの条件によって価格が決まってきます。
真珠は汗による影響を受けやすいのが特徴で、汗がついたままの状態を放置することで輝きを失ってしまう可能性があります。
お手入れを行うことはもちろんではありますが、汗から守る加工を施すことでより一層美しい状態をながく保つことができるのです。
ここではそんな魔法のようなPS加工についてご紹介します。
真珠の主成分は炭酸カルシウムであり、真珠に含まれる成分を利用して表面をフッ化カルシウムにする加工がPS加工です。
フッ素とカルシウムは結合しやすい成分となっており、一度加工を施すことで汗などの酸から表面を守り、ながく美しい状態を保つ効果を得ることができます。
また、PS加工は表面をコーティングするのではなく、真珠そのものを強固なものにする仕組みの加工となっているため、真珠本来の輝きを失うことはありません。
次にPS加工の工程についてご説明します。
まず最初にPS加工に耐えうるものであるかどうかの判断が必要です。
購入後かなりの時間が経った真珠であっても加工することは可能であるものの、痛みや劣化がひどいものは加工できません。
そのため厳正なチェックを行った後、薬液に浸します。
薬液に浸すことで通常の真珠の約60倍もの耐酸性を持つとされており、汗などの酸の影響を受けにくくなります。
さらに仕上げとして表面を整え美しい輝きを持つ強い真珠が誕生するのです。
また、糸やワイヤーの交換も同時に行ってもらえるため、メンテナンスもばっちりです。
ただしPS加工は真珠の劣化を抑えるものであるため日々のお手入れは必要となってきます。
使用後軟らかい布でやさしく拭いてあげることが重要です。
PS加工と正しいお手入れを行うことで、長く美しい真珠を身に着けることが可能となってきます。