ベトナムのハイズン真珠をアンカリングせよ。

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ベトナムのハイズンで淡水真珠養殖業を開始したC君から質問メッセージが来たことを思い出した。

「来年の生産計画を立てるのですが、××ミリの真珠は一粒いくらで売れるのでしょうか?」

というものだ。

ハイズン(hai duong)では彼が真珠養殖のパイオニアである。画像を見ると、彼が生産している淡水真珠はワインレッドとでもいうような色で丸みがある。有核なのだ。

はっきりいって価格はわからない。正直に答える。

「丸くて色が白い××ミリのアコヤなら一粒×ドルだ。品質が良ければその2~3倍の可能性もある。」

思っていたよりも安い価格だったらしい。浜揚げ珠ならそんなものである。

「自分で値段をつけて、直接顧客に売りなさい。」

とアドバイスしたのだが、意図が伝わったかどうか。

ベトナム産の有核淡水真珠は知名度はない。国内にマーケットもない。価格は日本のアコヤ真珠か中国の淡水真珠を参考にするしかない。しかし、そうなれば、安く買いたたかれるだろう。

ハイズン真珠としてブランド化し、品質の良いものを、高価格で売るべきだと思う。

このC君のエピソードを思い出したのはPRESIDENT Onlineの記事を読んだからだ。

PRESIDENT Online "指輪は給料3カ月分"を信じる新婦の哀れ

記事には黒真珠のエピソードがでている。

イタリアのある宝石商が黒真珠を売ろうとするが、当時は日本産の美しい白真珠(ママ)が当たり前の時代だったためまったく売れないという話だ。

(略)

この時点で、黒真珠の商売を完全にやめるか、価格を下げてディスカウント店で売るか、あるいは白真珠とセット販売する方法もあったが、彼はそうしなかった。かわりに1年間かけてじっくりと品質が高い黒真珠を完成させた。その上で、ニューヨーク五番街にある旧友の宝石商に相談し、アドバイスをもらった。

■新商品が高いか安いかを客は判断できない
そして友人の店のショーウインドーで高い値札を付けて黒真珠を売り始める一方、豪華グラビア雑誌に全面広告で、黒真珠のネックレスがダイヤモンドとルビーのブローチと一緒に光り輝く写真を出した。

するとニューヨークのセレブたちが黒真珠を着けるようになり、これがきっかけで黒真珠は希少な超高級ジュエリーとして世界中に広まった。当初はガラクタ同然と思われていた黒真珠だったが、「ニューヨークのセレブが身にまとう超高級品」として、世界がアンカリングされたのである。

”黒真珠”はまだしも”白真珠”という聞いたことのない語句を使っているので、あまり真珠を知らない人が創作した話なのかな?と思う。

このエピソードのポイントは

新商品で価格を付ける際に必要なことは、需要を生み出した上で、「アンカーを作る」ことだ。価格の基準を作るのは、他の誰でもない。私たちなのである。

という事だ。

ベトナムの淡水真珠・ハイズン真珠はC君をはじめとしたベトナム人が価格の基準(アンカー)を作らなけばいけないのだ。

 

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