真珠養殖技術を習得すれば、それで産業維持できると錯覚しているの?「真珠塾」
下記のニュースが流れてきた。2018年9月26日の中日新聞のニュースだ。
記事には「技術が絶える」という話が繰り返しでてくる。
後継者不足が深刻な伊勢志摩の真珠養殖業に、新たに挑戦する若者を育成する「真珠塾」を、県が来年度開講する。漁業の中でも難しいとされる真珠養殖の技術を途絶えさせないことを目指す。二十五日の県議会一般質問で、中川正美議員(自民)の質問に、県が明らかにした。
(中略)
県は二〇一二年に「漁師塾」を始め、定置網の漁業者や海女のもとで、漁業を希望する若者らが住み込みなどで研修する事業を実施。これまでに十三人が新たに漁業に就いた。真珠塾はこの仕組みを真珠養殖に持ち込む計画。
真珠塾は真珠養殖の挿核技術を中心に考えているのだろう。
真珠養殖の挿核技術は、発明されてから長い時間が経ち、今は世界中に広まっている。挿核技術自体は言うほど難しい技術ではない。そこは真珠養殖の一要素に過ぎない。
栄養豊富な海と適切な貝があれば、習って1年目の技術者でも平均点がとれる。
そして、真珠養殖は真珠産業全体のほんの一部の話でしかないということだ。
真珠に特化した業種はいろいろある。挿核の道具をつくる会社。アコヤガイを育てる母貝業者。真珠の核をつくる製核会社。浜上げされた真珠を加工する会社。加工した真珠を製品にする会社。産業維持を考えるなら、それらすべてが関わってくるはず。
真珠養殖技術を習得すれば、それだけで産業維持できると錯覚している。まったくくだらない。
国は、中国や東南アジアの富裕層が増えることで今後、日本産の白色がきれいな真珠の需要は増えると推測。県でも「新たに就業する人がきちんと技術を身に付け、中国などでニーズの高い真珠を育てられるようになれば、伊勢志摩の真珠産業は維持できる」と期待する。
中国と東南アジアのマーケット頼みらしいし。
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