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オーストラリア真珠産業にMSC認証、という記事。一年前のニュースが今?!

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オーストラリア真珠産業にMSC認証という朝日新聞デジタルのニュース。

しかしMSC認証取得は一年前です。もっと早く取り上げてほしかった。

2017年に私もブログで書きました。→

過去記事 オーストラリア真珠産業をマリン・スチュワードシップ・カウンシル(MSC)が持続可能と認定。世界初

朝日新聞デジタルから引用。

「最大の輸出先は日本 豪州真珠産業に世界初のお墨付き」

オーストラリアの真珠産業が「海のエコラベル」として知られる国際NGO海洋管理協議会(MSC)の認証を受けた。真珠産業の認証は世界で初めてで、近年、宝飾品にも求められる環境への責任に応える。日本との関係も深い豪州の真珠業界の取り組みを見た。

見出しの「最大の輸出先は日本」。そこは関係ないかな。日本が輸入した真珠は加工されて再び海外に流通していくわけです。それを含めての最大の輸出先。

それよりも、オーストラリア産真珠のMSC認証取得は、環境問題に鈍感な日本産真珠に対する差別化戦略になると思います。「美しい海で育まれた」というようなイメージばかり打ち出す日本とは一味違いますね。

さらに引用。

オーストラリアの真珠産業が「海のエコラベル」として知られる国際NGO海洋管理協議会(MSC)の認証を受けた。真珠産業の認証は世界で初めてで、近年、宝飾品にも求められる環境への責任に応える。日本との関係も深い豪州の真珠業界の取り組みを見た。
(朝日新聞デジタル)

「近年、宝飾品にも求められる環境への責任」とあるのですが、日本の真珠業界(養殖・加工・販売の各業界)はどうなんでしょう?環境について考えているのでしょうか?

環境については、2016年に成立した真珠振興法に

(漁場の維持または改善)

第八条 国及び地方公共団体は、真珠の安定的な生産を確保するため、真珠の生産に係る漁場を良好な状態に維持し、又はその改善を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

とあります。主語が「国及び地方公共団体」だし、目的は「真珠の安定的な生産を確保するため」と。真珠養殖の天然アコヤガイのサスティナビリティ(持続可能性=環境への責任)とはまったく関係なかったですね。がっかりです。

日本の真珠業界でMSC認証を取ろうと考えている人はまだいないでしょう。しかし、水産物(真珠も水産物に含まれる)を世界に売り出そうとした場合には、世界的な流れであるサスティナビリティ(持続可能性=環境への責任)については無視できなくなると思います。世界に売り出すためにと各国の展示会に日本のアコヤ真珠をアピールするブースを出すだけではまったくダメだという事です。

最近たまたま手にした本で、日本の水産業界が「持続可能で環境に配慮」の面でいかに遅れているかを表す記述をみつけました。

最近出た鈴木智彦氏のノンフィクション「サカナとヤクザ」から

 オリンピックでは持続可能で環境に配慮した魚を提供しなくてはならない。ロンドンやリオではMSC/ ASC認証が採用された。通称、海のエコラベルと呼ばれる国際基準を当てはめると、日本が提供できるのは北海道のホタテなど数品目しかないため、2020年の東京オリンピックではMEL/AELという独自基準を採用した。国際基準は到底クリアできないので、水産庁の外郭団体に審査を担当させ、大幅に基準を甘くした。(P317 おわりに)

 

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