香港の見本市に過去最大規模ジャパンパビリオン設置、そして中国の動向は。

今週の26日から「Hong Kong International Diamond, Gem & Pearl Show 2019」がはじまります。

そこにジャパンパビリオンを設置するというプレスリリースが2月13日にでていました。

世界最大級のジュエリー素材専門見本市「Hong Kong International Diamond, Gem & Pearl Show 2019」に過去最大規模ジャパンパビリオン設置

2019年02月13日

ジェトロは、農林水産省「戦略的輸出拡大サポート」事業の一環として、2月26日（火曜）～3月2日（土曜）に香港で開催される世界最大級のジュエリー素材専門見本市「Hong Kong International Diamond, Gem & Pearl Show」（以下、「香港パールショー」）に10年連続でジャパンパビリオンを設置し、109社・団体が出品します。

「戦略的輸出拡大サポート」事業の一環と書かれています。日本国が支援しています。

「真珠産業の振興― 真珠振興法制定までの経緯と取組について ―  20160801118s.pdf 」。

真珠の輸出促進のための取組として、国は平成 25 年度から「輸出総合サポートプロジェクト」により、日本貿易振興機構（JETRO）と連携して、国際流通拠点である香港最大のジュエリーショーにジャパンパビリオンを設置するとともに、出展料の３分の２を参加者に補助するなど、輸出の取組を支援している。

前述のプレスリリースに、現在の日本産真珠の輸出の現状について、「国内市場が縮小するなか日本産真珠の輸出が拡大」しているとあります。

2017年のジュエリー国内小売市場は、景気回復感の高まりを背景に前年比0.6%増の9,468億円でしたが、今後、日本全体では人口減少による国内需要の先細りが予想され、大幅な成長は見込みづらい状況にあります。
他方、昨今のアジア・新興国の経済発展による富裕層及び中間層の増加を背景に日本産真珠の輸出が伸長しています。真珠の輸出額は、リーマンショック後の購買不振を受けて2009年以降低迷していましたが、2013年から増加に転じ、2017年は323億3,000万円を記録。2018年1～11月期の輸出額は341億1,000万円（前年同月比7.5%増）と成長が加速しており、リーマンショック以来最高額となる見込みです。その中でも、香港向け輸出は輸出額全体の約8割を占め最大の輸出先となっています。

リーマンショック以来最高額となる見込み。と威勢はいいのですが、やっとリーマンショック前の水準まで戻っただけ。過去最高額には到底及びません。

また、香港向け輸出が「輸出額全体の約8割を占め」ています。香港向け輸出はリーマンショック前は全体の6割もなかったようです。随分と香港偏重になってしまいました。つまり、真珠の集積地が香港に移ってしまったのですね。

中国のジュエリー市場の動向のレポートがHKTDC(Hong Kong Trade Development Council)にありました。

China’s Jewellery Market　2018年7月18日

中身は2017年の数字で少し古いですが引用します。

中国のジュエリー市場
I.市場の概要

近年の中国の景気減速の結果として、宝飾品の需要は減少しています。以下からの数字によると、国家統計局、2017年に特定の指定規模以上の事業者から宝飾品の小売売上高は5.6％前年比、2970億人民元となりました。しかし、多くの投資家が金の宝飾品から金の延べ棒に焦点を移したようです。これに沿って、中国金協会が発表した2017年の数字によると、中国の金消費は前年同期比9.4％増の1,089トンで、5年連続で世界有数の金消費国となりました。　(google翻訳)

宝飾品の売り上げについて、中国は景気減速しており、宝飾品から安全資産としてのGOLDに焦点がかわっているということのようです。

中国の2017年ジュエリー輸入の内訳も載っています。

真珠は前年比106％と大幅な伸びになっています。

ここでいう真珠はネックレス等の完成した製品ではなく素材です。

前年比106％という大幅な伸びは、中国で真珠の加工が伸びたというだけのことかもしれませんが、このレポートではよくわかりません。

ちなみに、金額ベースでみると中国の真珠の輸入は1億580万ドル(約116億円)。これはダイヤモンドの0.85％、プラチナの2.3％の額です。真珠はまだまだ伸びる余地があるとは思いますが。

「Hong Kong International Diamond, Gem & Pearl Show 2019」ジャパンパビリオンの盛況をお祈りいたします。

 

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