アワビ真珠 ABALONE PEARL
貝殻の内側に光沢があれば輝きのある真珠ができる可能性がある。だからアワビにも綺麗な真珠ができる。
和漢三才図会(江戸時代中期の百科事典)にはこういう記述があるらしい。
真珠は鰒(アワビ)珠が最上、しかしこれを得ることは少ない。
それで今はあこや貝、浅利(アサリ)の2種を用いている。
ドブガイ珠(カラス貝)もあまり多くない。
和漢の土地によって異なる
ドブガイ珠(カラス貝)というのは淡水真珠のことだろう。浅利(アサリ)の真珠は光がないので宝石としては落ちると思う。薬用かもしれない。とにかく和漢三才図会によればアコヤ真珠はアワビ真珠より、ちょっと格下なのだった。
寬政11 (1799)年刊の日本山海名産図会 には
珠は伊勢の物の形は円く少し青いが、また長くて緑色を帯びているのは石決明(アワビ)の珠である。
とあるとか。 (和漢三才図会も日本山海名産図会もネット上で閲覧可能だが漢文が読み慣れなくて孫引き)
そのアワビ真珠。天然のアワビ真珠というのはこんなのです。以前紹介したことがあるかもしれない。確かに長くて緑色を帯びている。
天然アワビ真珠 画像http://www.karipearls.com/natural-abalone-pearls.htmlアワビ真珠養殖は1980年代のニュージーランドではじまったらしい。(http://www.purepearls.com/abalone-pearls.html)
アワビ真珠画像はいずれもhttp://pearl.good-jewelry.com/eyris-blue-pearl-farm/から。
日本では1957年、宇野寛氏によりアワビによる真珠養殖として養殖方法が報告されている。その後、幾つかの業者が試みたが、日本での事業化(大量生産)はできなかった。