香港の真珠養殖 科学的手法と最先端の識別技術で復活する!?
2018年2月15日のPost magazineの記事。
1,000年の歴史を持つ香港の真珠を復活させるために科学的手法と最先端の識別技術を取り入れているDavid Wong氏を紹介する、といった内容です。
香港での真珠養殖 真珠貝 @Post magazine Picture: David Wong1000年の歴史とあるのは、珠江デルタでは、唐(618年-907年)から清の始まり(1644年)までは天然の真珠が採れたからのようです。
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記事によれば
Wong氏の家は核(真珠養殖時に使用する貝殻を削ったもの)を製造販売する仕事していましたが、90年代に安物の核が出回り、過剰在庫に困ったことで、手持ちの核を使って真珠養殖をはじめようと思い立ちます。
1996年に香港で真珠養殖場を設立し良質の真珠を生産するも、翌年の1997年の香港返還でビジネスチャンスを失います。「新政府に真珠養殖を監督する者はいなかったし、私たちを支援する体制もなかった」からです。
そこで国境を越えた広東省に努力を集中。真珠養殖場とリゾート施設をオープンさせ、養殖場へのツアーを提供するという事業を立ち上げます。
ピーク時には養殖場の浜上げは100万貝を超えましたが、不動産ブームによって、海外沿いにホテルや高層ビルが建ちました。大量の建設廃棄物によって、真珠貝を含む海の生物はダメージをうけました。そのため養殖場を放棄することになりました。
波乱万丈なのです。
◇真珠養殖で使用される最先端の識別技術とは?
2009年にDavid Wongは革命的なあるアイディアを持っていました。「手荷物識別のために香港空港でRFID(無線周波数識別)技術が使用されていたことから、真珠核の中にRFIDチップを入れることができるかもしれない」と思いついたのです。
彼が核の中で絞られるほど小さいチップを見つけるのに3年かかりました。Wongsが「メタカク」と呼ぶ各チップには固有の識別番号があり、RFIDリーダーでスキャンするとスマートフォン画面に表示されます。これは2つのメリットがあり、真珠養殖家と最終消費者の両方に利益をもたらします。
核に識別チップ(ICタグ)を埋め込む! そしてスマホで管理!いま注目されているIoT!Internet of Thingsです。
2つのメリットとは、例を挙げると
1 真珠養殖の途中に脱核(貝が核を吐き出してしまう)してもスマホで確認できる。脱核だけはなく、養殖中のデータをとることで、きめこまかな管理が可能になるでしょう。→生産効率化
2 真珠は見た目からは生産地がわからないが、識別チップがあれば生産地がわかるようになる。→生産地ブランド化が可能。
これはなかなか面白いですね。特に1の生産技術の研究に力を発揮しそうです。
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