デイジー・ブキャナンの3億5000万円(筆者体感価格)の真珠ネックレス
前の記事(https://pearlmusic.jp/blog/2016-08-1305)で少し触れたけど。F・スコット・フィッツジェラルドが1925年に書いた小説「グレート・ギャッツビー(華麗なるギャッツビー)」に
”結婚式の前の日にブキャナンはデイジーに35万ドルの真珠のネックレスを買った。”
という描写がある。
(原文)and the day before the wedding he gave her a string of pearls valued at three hundred and fifty thousand dollars.
小説の舞台は1922年の好景気に沸くアメリカだ。
イギリスとフランスでは養殖真珠が本物か偽物か?という訴訟が起きている最中で、ミキモトパールの養殖真珠は売り出しが始まったばかりの頃。
35万ドルの真珠ネックレスは天然真珠でできているということになる。真珠はペルシャ湾のパールダイバーが採取してきたものだろう。
この小説の冒頭で、語り手のニックが”マンハッタンに通勤できる郊外の小さな一軒家が月80ドルの家賃だった”というようなことを語っている。
私が東京で京王線あたりの家賃8万円のアパートに住んでいたとして、仮に家賃80ドル=8万円とおくと、つまり、現代に住む私の感覚では35万ドルは3億5000万円となる。
もちろん3億5000万円の真珠ネックレスは大富豪ブキャナンの圧倒的な財力を示しているわけなのだけど。1920年にチェース・ナショナルバンクの副頭取が、自分の花嫁のために、29万2000ドルの真珠のネックレスをティファニーで購入した。というような事実があるようなので、これは小説内の荒唐無稽の高額真珠ネックレスとはいえないのだった。しかし高いな。
終戦後に社交界にデビューして、二月にはニューオーリンズの男と婚約したんじゃなかったかと思うわ。そしたら六月にシカゴのトム・ブキャナンと結婚したのよ。ルイヴィルの町が始まって以来の大がかりな祝典だったわね。シカゴから総勢百人、列車を四両貸し切りでやって来て、〈シールバック・ホテル〉もワンフロアの貸し切り。挙式の前日に真珠のネックレスを贈ってた。お値段は三十五万ドルだとか。
光文社古典新訳文庫 グレート・ギャッツビー
35万ドルのネックレスとはどんなのか????
1974年に映画化されたグレート・ギャッツビーでは、(http://www.imdb.com/title/tt1343092/?ref_=tt_mv)
映画 The Great Gatsby 1974
デイジー役のミア・ファローがしているのは約80センチオペラタイプ。9ミリくらいかなあ。
2013年に映画化されたグレート・ギャッツビーでは(http://www.imdb.com/title/tt1343092/?ref_=tt_mv)
ティファニーのネックレス。映画 The Great Gatsby 2013
http://www.bykoket.com/blog/
デイジー役のキャリー・マリガンがしているこの真珠ネックレス。サイズを混ぜた多連ネックレス(a strings of pearl ではない)で背中に垂れるタイプ。協力はティファニー。
1920年代、この多連ネックレスがすべて天然真珠なら、うーん、90万ドル、、、9億円(前述筆者体感価格)くらいか。
この真珠ブレスレット。
グレート ギャツビー コレクション。ダイヤモンドのリングとパールのブレスレットが一体となったハンドオーナメントも、映画『華麗なるギャッツビー』でデイジー演じるキャリー・マリガンを彩るジュエリーのひとつ
913万5000円 © Tiffany & Co. http://openers.jp/gallery/320127/8
913万円5000円とある。両腕にしているので×2で1827万。十分高い、これ、日本でも売れたんだろうか。
グレートギャツビーは有名な小説なので複数の訳本がある。最近人気なのは村上春樹訳かな。青空文庫で無料で読むことも可能。
参考
*青空文庫 グレイト・ギャツビー
グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)
グレート・ギャッツビー (光文社古典新訳文庫) Kindle