フィジーという楽園の真珠とハンターが教える起業家5つのレッスンとは?

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The Fiji Times Online に"Pearls in paradise"、「楽園の真珠」という記事があった。(リンクhttp://www.fijitimes.com/story.aspx?id=422173)

フィジーの真珠業者ジャスティン・ハンター氏(https://www.fijipearls.com/)に関する記事。

ジャスティン・ハンターがJ. Hunter Pearls Fijiを創業したのが1999年という。私から見るとむちゃくちゃ最近のことだ。

フィジーの真珠貝はタヒチと同じクロチョウガイだがまったく同一ではなく、タヒチ真珠とは色合いが違う。ハンター氏のサイトをみるとフィジーチョコレート(Fiji-chocolate)と呼んでいるようだ。

フィジーの真珠は1960年に二人の日本人がきた時から始まる。トキト氏と和田連二氏。和田氏は1970年にポリネシアに渡り、トキト氏はフィジーに残った。

Pearling in Fiji – and the Pacific – owes a lot to two Japanese gentlemen Mr. Tokito and Mr. Wada, who arrived in the 1960s to set up a pearl farm off the island of Ovalau, the site of Fiji’s first capital Levuka. Mr. Wada, a pearling technican by trade, left soon after for French Polynesia, where he was instrumental in starting the first pearl farm. Mr. Tokito remained in Fiji, where his family still farms pearls to this day.
(https://www.fijipearls.com/our-story/より引用)

 

さて、記事内容を以下抜粋して紹介する。ハンターの生い立ちも詳しく書かれている。(抜粋部分はほぼ意訳。気になる人はThe Fiji Times Online原文を当たって欲しい。)

ジャスティン・ハンターがフィジーの真珠産業のために行っていることは、天然の真珠をハンティングするよりもはるかに困難だ。

ジャスティンは(略)賢い起業家として、高級なマーケットを目指して販売量を制限している。高品質真珠を高級品・高価格にすることを目指して生産を限定している。この戦略は、大量消費品ではなく、比較的少ない世界の裕福な消費者をターゲットとしている。(略)

彼は、20年の間に真珠の生産量を4倍に増やしたタヒチから貴重な教訓を学んだ。タヒチはその過程で総売上高を年間3億ドルから1億ドル未満に減らしたのだ。(略)

彼はまた、真珠のマーケティングに役立てるだけでなく、環境保護と持続可能性(サスティナブル)のためにフィジー元来の海洋の楽園を保存しようとしている。(略)

 

 高品質の真珠だけをマーケットにだすことはなかなか難しい。低級品や中級品の真珠もそれなりの商品になってそれなりに売上に貢献するからだ。しかし、そういった真珠はジュエリーではなく大衆消費品となってしまうかもしれない。売上をあげるために生産数を増やすことになるのだが、海は荒廃してしまう。真珠養殖ではこういった事例が何度も起きている。

The Fiji Times掲載の真珠の写真 The Fiji Times掲載の真珠の写真

 最近の真珠関連のニュースを読んでいると、ジャスティン・ハンターに限らず、真珠業界は環境保護と持続可能性が重要なテーマと考えているようだ。日本の真珠業界のことはよくわからない。もちろん、考えていない訳ではないと思うが、特にニュースになったり(アピール)はしていない。

最後に表題のHunter's entrepreneurial lessonsを紹介。

ハンターの起業家5つのレッスン。

レッスン1 適切な海洋環境のフィジーならばどこでも、魚介類の現在の生産量よりもはるかに価値のある、信じられないほど貴重な産業を作り出すことができる。

レッスン2 業界の「創始者」である必要はない。他人が可能性を見出したが成長できなかった業種においても、起業家はより大きな可能性を目にしている。

レッスン3 生産者は、低品質の商品を増やすまたは数量を最大限に増やすよりも、品質を向上させてマーケティングに集中するべきだ。

レッスン4 水産養殖の事業家は海洋環境の持続可能性と保全に注意を払う必要がある。

レッスン5 ハンターの事業、真珠養殖産業は多くの幅広い開発目標と海洋環境の保全を内包している。地元の資源所有者自身が生産プロセスとこの事業とを正しく調和させれば、経済的利益配分を大きく享受できる

(原文)

Hunter's entrepreneurial lessons

Justin's first and obvious lesson is that Fijians can create an incredibly valuable industry anywhere in Fiji where there are suitable marine environments, far more valuable than the current outputs of fish and shellfish.

His second lesson is that one does not have to be an "initiator" of an industry. Entrepreneurs can also be those who see a greater potential in some industry that others may have started but have not been able to grow, for whatever reason.

Hunter's enterprise has a third lesson for other potential entrepreneurs in Fiji: that financial success can sometimes be greater if the producer focuses on enhancing and marketing quality rather than maximising quantity or sheer volume of lower quality products.

Hunter has a fourth lesson that aquaculture entrepreneurs must pay heed to sustainability and preservation of the marine environment.

Fifth, Hunter's industry illustrates that many broad development objectives, including the preservation of the marine environment and distribution of economic benefits are greatly assisted if local resource owners are themselves integrated fairly into the production process and industry.

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