
ジェームズ・ブラウンの新しい挑戦は真珠業界を揺るがすか!?真珠の原産地はどこ?
While high-end diamonds, wine and paintings can prove their authenticity with official, independent certification, Brown says no such thing exists in Australia for cultured pearls.
(Fleur Bainger PerthNow)ハイエンドのダイヤモンド・ワイン・絵画は、公式の独立した認証で真贋を証明することができるが、オーストラリアの養殖真珠はそのようなものは存在しない、とブラウンは語った。
いきなり冒頭で引用しました。
この引用元の「Kimberley pearl farmer James Brown wants the industry to reveal the true origin of its precious gems」記事が興味深かったので紹介。
キンバリーの真珠養殖業者ブラウン氏は「真珠は原産地と加工を明確にすべき」と主張しているというのがこの記事のテーマです。
さて、記事にはブラウンの生い立ちが詳しく書かれています。
(前半略)
2008年、彼らの二番目の息子が誕生した頃にリーマン・ショックが直撃した。ブラウンたちが頼りにした真珠卸売市場はほぼ一晩で吹き飛んだ。
「私たちは実際に養殖場を維持するかどうかについてしばらく考えました。ほとんどの企業は活動停止を選択しました。」
恐ろしい期間だった。貝の種苗 ―真珠生産のために天然採集された稚貝―は謎の病気によって壊滅し、在庫は減少し生産は減速した。養殖場の存亡に大きなプレッシャーがかかった。
彼の転機はリーマンショック(原文はGFC)と真珠貝の斃死のようです。真珠貝の謎の病気というと1994~1997年に日本で起きた大量斃死を思い浮かべますね。
その悪戦苦闘からブラウンは創造的に考えることを学んだ。
彼はCygnet Bayで観光業を開始した。ビジターは彼らの存在を垣間見ることができ、真珠の養殖方法を学習する。そして、ボートトリップでこの地域のパワフルな海流を滑走する。
さらに古い労働者のコテージを修理し、サファリテント、プール、レストランを追加した。
同時に、ブラウンはKimberley Marine Research Stationを立ち上げ、環境を勉強する研究者や学生を養殖場に迎え入れた。(Google翻訳を元に抄訳)
ブラウン氏が考えたのは観光業の開始とキンバリー海洋研究所の設立でした。直後に州政府が3,000万ドルのキンバリー海洋研究プログラムを開始します。
さてブラウン氏はオーストラリアの真珠についてこう言います。
オーストラリア市場の真珠の多くが、より高価なオーストラリアブルーム産の南洋真珠に似せるために、原産国で漂白・染色されている。このことを知っている顧客はほとんどいない。
現在、真珠がどこから来たかを正確に証明する方法はない。たとえそれがわかっていても、購入者にはほとんど開示されない。このような慣行を明らかにすることで、業界の未来を確保することを望んでいる
真珠の原産国(と加工)を正確に証明する方法が確立されれば真珠業界を揺るがすだろうということなのです。オーストラリアだけでなく、おそらく世界で真珠の販売方法を変えてしまう可能性があると書かれています。
そしてブラウン氏は既存の技術で証明は可能だとしています。
将来、原産国証明が標準になれば、日本の真珠業界はどう変わっていくのでしょうか?
ところで、
As part of the ongoing diversification of the business, the family has just bought into a NSW farm, Broken Bay Pearls. Linking the properties under the banner, Pearls of Australia, Brown aimsto educate the industry and its customers on the true state of Australian pearls.
「事業の継続的な多様化の一環として、ファミリーはNSWの養殖場Broken Bay Pearlsを買収しました。」とあります。
この養殖場Broken Bay Pearlsは以前にこのブログでも紹介しました。Broken Bay Pearlsはジェームズ・ブラウンのアコヤ真珠部門だったようです。
オーストラリア産と表示されたアコヤ真珠が世界のマーケットに登場する可能性もあるのです。
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