
12月の話題は"ミキモトが真珠で「世界一」になった理由"と”年金生活からミキモト社長になった話”
12月に入ってからネットでミキモトの記事をいくつか読みました。
クリスマスに合わせて宝飾関連の記事を、ということでもあるのだと思います。
一つ目は東洋経済の記事。ミキモトが真珠で「世界一」になった理由というタイトルは面白いのだけれど、読んでみるとミキモトの広告みたいな(つまらない)、目新しくない内容でした。創業者の御木本幸吉には、もっと、面白い、いろんなエピソードや切り口があると思うのです。
東洋経済らしく、経営の観点からも書かれているのでその部分のみを引用。
経営の観点からミキモトをみれば、直近の2017年8月期は、銀座4丁目店リニューアルオープンに伴う費用や訪日外国人によるインバウンド需要の一服で、売上高250億円、営業利益24億円の減収減益決算だった。
バブル期の勢いこそないものの、「品質を落としてまで規模を追う必要はない」という経営哲学を貫き、近年は売上高250億円前後、営業利益30億円前後で安定的に推移している。
2011年の吉田氏の社長就任以降、ボールペンや写真立てなどの不採算だった小物ギフトから撤退。課題となっている国内での認知度向上や男性向け市場の開拓に注力している。販売面では語学堪能なスタッフを50年以上前から店舗に配置するなど、こまやかな顧客対応を続けている。「抜本的な解決策というより、一つひとつ丁寧に、真剣に対応してお客様になっていただくしかない」と吉田社長は話す。
しかし、売上250億円は、世界一というには小さい金額だと思う。
ちなみに、クリスマスが過ぎるとネットオークションに商品が溢れるといわれる「4℃」のジュエリー事業部門は、売上高 331億66百万円 、営業利益 59億80百万円。(平成29年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)PDF)
また、As-meエステール株式会社は売上高 325億79百万円 、営業利益 13億60百万円。2017/05/12 決算短信
二つ目のNIKKEI STYLEの記事。
宝飾品大手のミキモトがブランドイメージの刷新に動いている。大消費地である東京・銀座で店舗を作り直し、ギフトなど規模を追うビジネスから撤退した。むやみな拡大戦略の結果、宝飾専門店としての輝きを失ったからだ。吉田均社長は「海外のように圧倒的なブランド力を国内でも示したい」と意気込む。(略)
ミキモトは日本国内のブランド認知度が下がっているらしい。
年金生活に入っていた吉田氏は何故社長を引き受けたのか?という部分が興味深い。新社長の方針に納得が行かず、危機感から手をあげたとあります。反発したという「在庫を削減」というのはTASAKI(田崎真珠)復活への処方箋の一つでした。
「会社の実情も分かっていたので、『社長をやってくれないか』という話が持ち上がったわけです。自分は社外取締役なら引き受けるつもりでしたが、さすがに社長は断りました。すると別の方にお鉢が回り、その方と面会し、経営方針を聞いたのです」
(略)
■会社に危機感 社長に立候補
――納得ができなかった。 パリのヴァンドーム広場に店舗を構え、海外でのブランドイメージは高い
「その方はジュエリーに詳しくないのか、ただ在庫削減などと言い出しました。それではまずい、会社がダメになってしまうと危機感を持ちました。
(略)
「経営のありようも変えました。ミキモトブランドで腕時計やボールペンなど扱っていました。もうかりませんし。子会社のミキモトインターナショナルで扱っていたギフトは撤退しました。やはりジュエラーとして認めて頂かないと」
ミキモトブランドは宝飾品ではない安い商品は扱わなくなったということですね。儲からないからとはっきり言ってるけど、富裕層相手のラグジュアリーブランドへと向かうのでしょうか。
◇話変わって、CNNで、ミス・ユニバースのミキモト製王冠(以前の記事参照)が10年ぶりに戴冠されたというのを12月7日付けのニュースで知りました。
http://cnnphilippines.com/lifestyle/2017/12/07/Miss-Universe-queens-Mikimoto-crown.html

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