アコヤガイ大量死。209万個の見出しは煽りすぎ。信じて動く。
読売新聞の見出しは煽りぎみだ。
調査結果によると、死んだのは、稚貝が167万7000個(死んだ割合は平均70%)、2年目の貝が30万個(同23%)、3年目の貝が11万5000個(同24%)だった。
稚貝は小さくて弱いので大量死しやすい。なので、一律に足して、大量死209万個というのは乱暴だと思う。
真珠産地の伊勢志摩地域で真珠の母貝となるアコヤガイが大量死している問題で、立神真珠養殖漁協(志摩市)の森下文内組合長(72)は十日、取材陣に「八月中旬以降、アコヤガイは回復基調にある」と説明。その上で「斃死(へいし)の原因が感染症とは限らない。海流の変化による可能性もある」と話した。
まだ、原因がはっきりわからないという話だ。
伊勢志摩地方だけではなく、愛媛、長崎でも斃死貝がでているので、「海流の変化による可能性」とは考えにくいと私は思う。
(略)「県の発表通り、十月下旬に判明するとは限らない。原因が一過性のものと信じて動くしかない」と話した。 同漁協は七十九業者で構成。「悲観的な考えの人もいるが、前向きに頑張っている。被害は稚貝に集中しており、業者間で格差が生じていることから、対応策を検討する。
(強調は筆者)
私は悲観的な考えのほうだが、「信じて動く」というのはどういう意味だろう。
原因がわからないなら悪い事態(感染症等)をも想定するべきではないだろうか?「信じて」「前向きに頑張」ってさえいれば好転する話ではない。なにか対策しているのかなあ。
回復基調とは?
現在のアコヤガイは健康なのだろうか?
海の状態は?海水温は?
餌になるプランクトンは十分だろうか?
生き残った貝が、水温が下がった冬場に体力不足で斃死することもあり得る話なので。
そういうことが気になるのだが、ニュースではそこまで踏み込んでない。
*追記
昨日の時点で以下のニュースがでていたもよう。
栄養不足という事は、密殖(過密な養殖)になっていたのかもしれない。
特に斃死率が高かった稚貝は成長が早く、海に大量のプランクトンが必要。
県によると、昨年12月~今年3月の英虞湾の海水温は15.8度で、過去15年間の平均値を2・5度上回り、過去15年間で最も高かった。アコヤガイは冬の間は英虞湾周辺の湾に移して育てるが、移設先でも海水温が高かったとみられる。海水温が高いとアコヤガイの栄養消費量が多くなるという。また、今年4~6月の英虞湾では植物プランクトンの量が過去15年間で3番目に少なかった。