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画像なし

「正気の沙汰か?貝の真珠の入り具合に海外掲示板がざわつく」というカラパイアの記事に間違いだらけとつっこむ。ドブガイの話。

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前回。アコヤ真珠の「1個入れ」、「2個入れ」の話を書いた。
ちょっと前のカラパイアの記事に、「正気の沙汰か?貝の真珠の入り具合に海外掲示板がざわつく」という記事がでている。画像を見ると40個入れくらい?

しかし。

真珠がいっぱい入った淡水真珠貝 真珠のはいった淡水真珠貝 (元画像www.reddit.com)

カラパイアの記事から引用。

画像はユーザーネームProteonさんによってRedditに投稿されたものだが、クローバーも葉が多いとラッキーだったりするので、この真珠貝はラッキーだらけといったところなのだろうか?

 この貝は、川や沼の底の泥中に生息するドブガイ(Sinanodonta lauta)という種だそうで、ドブガイの貝殻は真珠層の構造を持ち、養殖真珠の核とするには最適であると言われている。おそらくは養殖された真珠でたくさん核を入れたのだろう。
カラパイア http://karapaia.com/archives/52212057.html

カラパイアの記事。間違いまくり。(元々のReddit記事はこれhttps://www.reddit.com/r/pics/comments/4563qh/pearls_in_an_oyster/)

これは中国の淡水真珠の画像だ。中国の淡水真珠養殖に使用されている貝はイケチョウガイ属ヒレイケチョウガイ(Hyriopsis cumingii)なのである。 ドブガイ属のヌマガイ(Sinanodonta lauta)とは違う。

また、日本ではドブガイ(溝貝)といえばAnodonta woodiana (=Sinanodonta japonica,S.lauta)らしい。ややこしいけど。
私も貝の専門家ではないわけで、あまりに細かいとは思うのだけれど、間違った学名が書いてあるとつっこまざるをえないのであった。。

さて、カラパイアの記事にもあるように「ドブガイ」といえば養殖真珠用の核を作る材料として知られている。真珠養殖を説明するサイトには「核の原材料はドブガイ(Anodonta woodiana) 」と書いてある例がいくつもみられる。
が、これも実はあやしい。

「 真珠の事典」(p524)では核に使用される淡水貝のひとつに、

Quadrula undulata Barnes 俗名dove shell

があげられている。

核に使うdove shell(真珠の事典)


俗名がdove shellとなっている。ドブガイというのはdove 貝のことだったのか!!

doveという言葉を辞書(http://eow.alc.co.jp/search?q=dove)で見ると

dove

【動】
    diveの過去形◆
【同】dived【名】>
  1. 《鳥》ハト
  2. 〈話〉ハト派、穏健派◆【対】hawk
  3. = dove color

とある。「dove color=ハト色、赤または紫を帯びたグレー」とあるので、ドブは貝殻の色を表しているのではないか?このdove shellの名前が流布されて、ドブガイ(Anodonta woodiana)と混同されていると推測する。

そしてカラパイアの最大の間違いはこれ。

「おそらくは養殖された真珠でたくさん核を入れたのだろう。」

淡水真珠は基本は無核ですね。外套膜の切片をたくさんいれたんでしょう。

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