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ブルームの真珠採りツアー: Broome's pearling industry tour

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オーストラリアのブルームにpearling industry tourというものがあるらしい。昨年の記事なのだが。

(Broome's pearling industry tour, Western Australia: The Aussie spot for lovers of pearls)

これはブルームのpearlingの歴史をたどるツアーで、まず、old master pearler の家で朝食をとりながらpearlingの正しい知識を得るという流れだ。

  *pearling 真珠採取,pearler 真珠採取者 (英辞郎による)

記事内ではこういう会話がかわされる。

100年前の1916年にミキモト・コウキチが養殖の丸い真珠を作りだすための特許を取得したことを私は知っていた。
人工採苗によって真珠を作ること、それはブルームのパーリング船団を殺したに違いない。
"でもね、" グラノーラとヨーグルトをとってきた時、マリリンは私を正した。
"彼らは真珠を探していなかった。"

 

彼ら=真珠採取者は真珠を探していなかった。

これは、ほんとうによく誤解されている。目的はシロチョウガイの貝殻だ。

オーストラリアのpearlingは、真珠貝貝殻産業だったのである。

大量の真珠貝を海底から集めてきて、1万個の貝を開けて、やっと1粒の真珠が見つかるというような真珠採り産業ではなかった。

ブルームのpearling industryを壊滅させたのは貝殻のボタンに代わって登場したプラチック製ボタンである。

真珠採取船。Pearl lugger at sunset off Cable Beach, Broome, Western Australia: Photo: Tourism Western Australia

 

 やはり、オーストラリアでも「御木本幸吉の養殖真珠発明がオーストラリアのpearling(真珠採り)を壊滅させた」 という間違った歴史理解の人がいるらしい。「養殖真珠の発明がpearlingを壊滅させた」というのは、中東のクウェートのエピソードだ。(「石油の世紀」という本によってこの逸話が知られるようになった。)中東の真珠採り産業は大量の真珠貝を集めてきて天然真珠を探していたからだ。

当時、御木本真珠は天然真珠の市場価格の25%ディスカウントで養殖真珠を売り出していた。

中東の真珠採り産業が崩壊した直接の原因は1929年からはじまった世界恐慌のためだと私は考えている。

ちなみに中東でのpearlingで採取されるのはシロチョウガイではなく日本のアコヤガイに近い貝である。

真珠養殖の作業船。Broome's pearling industry tour, Western Australia: The Aussie spot for lovers of pearls. Cygnet Bay Pearl Farm. Photo: Tourism Western Australia

 

 

2017年現在、pearling industry tourという名称のツアーはネット上でみつけられなかったが。

https://www.williecreekpearls.com.au/のサイトには、

 Pearl Luggers Tour(真珠採りの歴史を知るツアー) 所要1時間 料金25オーストラリアドル

 Willie Creek Pearl Farm Tour (真珠養殖場を周るツアー) 所要4時間 料金105オーストラリアドル

があった。

 Pearl Luggers Tourは真珠貝(pearl meat)が試食できるらしい。動画を見たところ、シロチョウガイの貝柱と思われる。

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