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三重県の「真珠養殖、1.5倍計画」は成功するのか?というか、もう日本から海外にでようよ!

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*このブログ記事公開し忘れてた?!

「真珠養殖、1.5倍計画」という読売オンラインの三重県の記事。

http://www.yomiuri.co.jp/local/mie/news/20180516-OYTNT50109.html

真珠養殖、1.5倍計画
2018年05月16日
県が27年に生産37億円…「発祥の地 再び輝きを」

 価格の低迷や後継者不足などに悩む県内の真珠養殖業の再興に向けて、県は「真珠振興計画」を策定した。高品質なアコヤガイの開発や養殖環境の改善を進め、2027年の生産額を現状の約1・5倍となる37億円に引き上げる。県は「真珠養殖発祥の県として再び輝きを取り戻したい」としている。

 

県の真珠振興計画は、品質向上・輸出促進・人材育成の三つを掲げている。

目新しい取り組みではなく、施行されたばかりの真珠振興法をみながらとりあえず作文しましたというところだろう。

2027年に生産額1.5倍との目標なのだが、真珠養殖の場合、生産額は需給や天候によって大きく変動してしまう。生産量じゃないのかな。

日本の養殖真珠は入札で価格が決まるので、好景気になり需要が増加したり、資金力のあるバイヤーが入札に参入するだけで相場は上がって売り上げが伸びる。目標がたったの37億円。(既存のバイヤーが新規参入に賛成するかは横に置いておく)

生産額ではなく、生産量についてはどう考えてるのだろうか?

経営を考えるなら、現在の生産量を維持しつつ(天候不順の時の生産量の低下をどうするか)、貝まわり=真珠貝一個に対する売り上げをどう上げていくかという話になる。

養殖環境の改善と書きながらも、今や世界の真珠養殖では基本となっている「持続可能」な生産に触れていないのも気にかかるところ。

厘玉(りんだま)、細厘(さいりん)といわれる5ミリ未満の真珠がある。記事によれば三重県の細厘生産は全国のシェアのほとんどを占めているとある。その理由は、単純に細厘の技術者がほぼ三重県にしかいないからだろう。20年ほど前の三重県で生産されていた大珠(おおだま、8ミリ以上)は、今では愛媛県が得意とするサイズ。

細厘は需要に供給が追い付いていないために価格が上がっているようだ。みんなが細厘に力を入れて生産量が増えれば価格は下がるはずなのだが、大きなサイズより細かい作業になり、挿核施術時に使う道具が違う等、参入がしにくいのだろう。

近々、中国産の細厘が登場するんじゃないかという噂はある。

以下記事を引用する。

 高品質化では、高水温や伝染病に強いアコヤガイの開発に着手する。真珠の価値は「巻き」(核の周りの真珠層の厚み)、「照り」(光沢)、「色」などで決まるとされており、県水産研究所で改良を進める。高品質化で価格を引き上げ、経営基盤の強化を狙う。

 特に国内生産量の1・3%しかない直径5ミリ未満の「厘珠りんだま」と呼ばれる真珠は、県内産が全国の99・6%を占める。伊勢志摩サミットでは各国首脳の襟元を飾った「ラペルピン」にも使われており、真珠アクセサリーの価値を改めてPR。東京五輪をきっかけに需要拡大を働きかける考えだ。

 一方、大規模な業者が多い愛媛や長崎に比べ、県内業者は家族経営の小規模な業者が大半を占める。若者らが漁業を学ぶ「漁師塾」を真珠養殖の分野でも始め、21年度までに4人の研修生を受け入れて後継者の育成を図る。国内外のバイヤーらを招く養殖場見学ツアーの参加者の増加も目指す。
(引用 http://www.yomiuri.co.jp/local/mie/news/20180516-OYTNT50109.html)

 

個別にみていく。

1 品質向上。 アコヤガイの改良。

「高水温や伝染病に強いアコヤガイの開発」だという。

これは20年近く前にアコヤガイの大量死が起こったことが根底にある。大量死当時から言われてきた課題である。つまり、20年たっても未だ改良は成功していないということになる。

大事なのは、そこそこ優秀なアコヤガイを質・量とも安定的に供給できるかどうかだと思う。頻繁に改良されても困るのだ。使用しているアコヤガイの性質を知っていれば経験による運用でカバーできるからだ。

2 輸出促進 

厘玉を軸に東京五輪をきっかけに需要拡大とか。東京五輪だのみとは。香港をはじめ海外の展示会に出品するとかは考えないのだろうか?

*8月29日にでたニュース。真珠、海外販路拡大へ 志摩で業者と首相補佐官ら意見交換 三重

【志摩】真珠業界の将来について議論する意見交換会が29日、三重県志摩市阿児町鵜方の横山ビジターセンターであり、真珠の生産・加工・流通業者に加えて、来県中の宮腰光寛首相補佐官らが出席。参加者らは真珠が高値で取引される海外市場への販路拡大に取り組む方針を確認した。

3 人材育成 

「21年度までに4人の研修生を受け入れて後継者の育成を図る」

とあるが4人って!少なすぎでは!高齢化が進んでいて人材はどんどん減っていくのだ。

結局は儲からない業種に人材はこないわけだけど。

 

はっきりいって、後継者となる若手の真珠養殖業者は、三重県なんかに留まらないで海外にどんどん進出してほしい。

 

さて突然だがここでミャンマーのニュースを紹介したい。

Myanmar pearl farms to focus on quality, sustainable production

見出しは「ミャンマーの真珠養殖場は持続的な生産と品質に焦点を当てる」です。つまりはミャンマーは真珠の振興に力を入れるという記事。

ミャンマーパールエンタープライズ(MPE)は、国際企業と協力して、現地生産される真珠の量と質を高めることを目指しています。MPEのジェネラルマネージャーU Myint Thu氏は、「現地の真珠養殖場の品質を向上させるために、研究とスキルの訓練にもっと投資し、外国の真珠生産者に地元住民との合弁事業を設立するよう呼びかけている」と語った。

「現地の真珠生産者の間で研究や技術を共有することで、量以上の品質を重視するようになるだろう」と付け加えた。
(該当記事をGoogle翻訳を元に修正)

 

ミャンマーでは外国の真珠生産者 (foreign pearl producers)を待ってるぞ。

 

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