
アラブ首長国連邦の真珠養殖ツアーのラグジュアリー感がすごい。
真珠養殖場を見学するツアーは日本でもあちこちの産地で行われている。
日本だけではなく世界各国の真珠養殖場でも見学ツアーがある。
下記はアラブ首長国連邦にあるAl Suwaidi Pearl Farmの真珠養殖場見学ツアーの記事。
Catch and keep your own pearls on this staycay

赤い布の上で真珠を選別しているのが目を引く。使用しているのは伝統的な道具らしい。
赤い布が新鮮だ。日本なら選別時に使用するのは白い布。販売時なら濃紺や黒色が多いと思う。
「真珠の知識と販売技術」という本にはこう書いてある。
白い布は真珠の「色(ボディーカラーと干渉色)」を、黒い布は真珠の「てり(光の干渉による輝き)」を見比べるときに使います。
(真珠の知識と販売技術 P70 織研新聞社発行)
GOLDがかった真珠なら、赤い布のほうが綺麗に見える効果があるのかもしれない。
FridayMagazineにもAl Suwaidi Pearl Farmの詳しい記事がある。
「ラスアルカイマでは、失われた伝統から知恵の真珠を拾う(Google翻訳)」というタイトル。
In Ras Al Khaimah, picking up pearls of wisdom from a lost tradition
Suwaidi氏はアラブ首長国連邦の最後の真珠ダイバー(天然真珠採取)の一人の孫として、彼の真珠養殖場を通して、ほぼ一世紀前に湾岸地域から消えた伝統と産業を復活させるために取り組んでいます。(FridayMagazine)
なぜ真珠ダイバー(天然真珠採取)の伝統とその産業が消えたのか?このブログで何度も触れているが、定説では「日本の養殖真珠が世界市場に進出し始めたから」ということになっている。私は世界恐慌の影響が大きいと思っている。
記事ではこう書かれている。
The entry of Japanese artificial pearls in global markets in the early 1900s along with the loss of fortune of wealthy clients in the aftermath of World War I, spelt the death knell of the pearling industry across the Arabian Gulf, explains Suwaidi. And, with the discovery of oil, divers shifted to alternative occupations. (FridayMagazine)
Suwaidi氏曰く、1900年代初頭に、真珠産業の弔いの鐘(death knell)が湾岸に鳴ったらしい。弔いの鐘!

船上の風景。絨毯が敷かれソファーが置いてある。記事では「伝統的なMajlisスタイル」とある。言ってみればアラブ風屋形船。
作業船の上で作業風景を見せる日本の真珠養殖場見学とあまりに違いすぎる。この絨毯とソファーのラグジュアリー感。
WikipediaによればMajlisとは
マジュリス(アラビア語: مجلس Majlis)とは、「座る場所」を意味するアラビア語で、文脈として「議会」や、特定の目的を持った者たちの「集会」、「社交界」を意味する。
社交界
国ごとに形式が異なるが、政府の高官や社長が邸内の一角で開催する。各分野のエリートなどが集まるため、転職や起業などの情報収集や人脈作りに活用されている。日本人でも、しっかりした紹介者がいれば参加できる
昔はMajlisの場で真珠の情報交換や商談が行われたのだろう。

真珠養殖体験お馴染みのアコヤガイから真珠を取り出しているところ。(使用しているナイフは日本の佐々木商工製と思われます。)
取り出された真珠を受けているのは、伝統的?デザインが施された金属製の器のようだ。日本の作業場ならプラスチックの洗面器を使用していると思う。
Majlisの絨毯・ソファー・美しい道具。
昔の風景がこうだったかはわからないけれど、(少なくとも佐々木商工製のナイフは使っていなかっただろうけど)、ツアーの演出としてはなかなか面白い。
真珠の伝統・歴史・文化となれば、真珠を入れるのに洗面器を使ってる日本に勝ち目はない。
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