読書 「海境を越える人々 真珠とナマコとアラフラ海」
ウォレスの 「マレー諸島(1869年発表)」を読んでいるとこういうくだりがあった。
ドボで行われる取引は、かなりの額にのぼる。
(略)
数としても量としても最大の品目は白蝶貝とトリパンすなわち干しナマコであり、それに鼈甲、燕の巣、真珠、装飾用の木材、材木、そして極楽鳥が次ぐ。
「マレー諸島―オランウータンと極楽鳥の土地〈下〉 (ちくま学芸文庫) 」
ドボでの最大の交易品目は白蝶貝と干しナマコ、そして真珠が品目に入ってる。真珠はせいぜい白蝶貝採取時の副産物だろう。
ドボはアラフラ海のアルー諸島にあり、インドネシアとオーストラリアを繋ぐ古くから交易の拠点だった。
「海峡を越える人びと:真珠とナマコとアラフラ海」という本を読んだ。当然、ダーウィンやブルームについても書かれているのだが、第三部の第一章に"真珠ダイバーの夢の跡 アル諸島ドボの日本人街"という論考が載っている。
アラフラ海の日本人真珠ダイバー=真珠採りといえば、ブルームや司馬遼太郎によって紹介された木曜島が有名なのだが、アル諸島ドボにも日本人が出稼ぎに行っていて日本人街が出来ていたという。
この本によれば1986年当時のアル諸島は天然エビの集積地になっていたらしいのだが現在はどうなっているのだろうか?